ジャズバーにて 「セカンドミール効果だ!」
お気に入りの
JAZZバーで好きなバンドの
音楽に耳を楽しませていると、
ふと男性の声が聞こえた
「セカンドミール効果って知ってる?」
僕は思った、
なんて場違いな奴なんだ。
こんなおしゃれな空間で
健康に関する話をするなんて
隣の席を見ると
20代半ばの若い男性が、
「セカンドミール効果」について
熱弁を振るっていた。
彼はやけに
黒縁の眼鏡が似合っていた。
眼鏡の男
「セカンドミール効果を知ってるか?朝ごはんを食べることで2食目に食事をした時に血糖値の上昇が穏やかになる、これがセカンドミール効果だ?」
眼鏡の男
「血糖値の上昇を穏やかにすることでインスリンの分泌量を減らすから太りにくい、これがセカンドミール効果だ?」
眼鏡の男
「血糖値の上昇が穏やかになるから低血糖にならない、お前たちランチの後に眠くなるだろ?あれは血糖値が原因なんだ!これがセカンドミール効果だ?」
眼鏡の男
「セカンドミール効果だ!」
どうやら話を聞いてると
彼は糖質制限ダイエットで
10kg痩せたらしい、
そして頭も冴えるようになり
なんてすごい体験だ!
と糖質制限を勉強している。
その勉強の効果で
出会った言葉それが
「セカンドミール効果だ!」
僕は思った。
まるで5年前の僕を見てるようだ。
覚えたての知識を振り翳し
物知り顔で日常に馴染みのない
言葉を紡ぎ、
「これは革命だ!」
と糖質制限ダイエットを褒める。
お前らもダイエットしろよ!
と。
でも彼は気づいていない。
彼の友人は頷きながら
スマホに目を落としているし
もうひとりの友人は
遥か遠くを見ている。
「セカンドミール効果だ!」
そうだ、
僕はこの光景を知っている。
どれだけダイエットを
頑張った話をしても、
ダイエット話する人は孤独なんだ。
普通の人はそんな話興味ないし
明日の昼ごはんや
「仕事嫌だなぁ」って
思いながら息してる。
相手が女性であれば、
二度と会ってくれないし
LINEはブロックされるだろう。
普通の人である友人の
彼の誇り高き
「セカンドミール効果だ!」
は届かないし、
友人の覚えている
言葉は明日にはきっと
セカンドピークになっている。
セカンドミール効果は
健康のために役立つことは
間違いないんだ
さらに言えば、
血糖値の上昇は痩せることにおいても、血糖値の上昇による血管を傷つける行為も穏やかにしてくれる。
そう、セカンドミール効果は
カラダにとても良いんだ!
セカンドミール効果がある
食べ物はタンパク質や大豆食だ
とある研究だと、
大豆おかきを食べた後に
2食目を食べると血糖値の上昇が穏やかになる。
だからセカンドミール効果を
実感するためには
朝にプロテインを飲むことを
僕は推奨している、
彼にそう言いたかった。
でもそんなことはできない
健康オタクが
「セカンドミールって知ってる?」
「ATP産生てすごくない?!」
「グルコジェニックですか?ケトジェニックですか?」
「レジスタントスターチのために米は冷えてから食べてます」
みたいな話をしてたら
場の雰囲気が最悪になるのは
間違いがない。
僕は彼と話したかった。。。
でも僕から見ても
どう考えても、
「彼はスベッている」
僕もこうならないように
気をつけようと思いながら
店を後にした。