
人類は本当に「1日3食」が当たり前だったのか?
僕らが当たり前のようにやっている「朝・昼・晩の3食」。
でも、ちょっと待ってください。
これって本当に、昔からの“健康的な習慣”なんでしょうか?
実は、人類の歴史の大半は1日2食以下だったんです。
そして「朝ごはんは絶対食べるべき」という考えも、意外と最近になって生まれた価値観。
今回は、人類の食事の歴史と、現代人にとっての“本当に健康的な食習慣”について、掘り下げてみましょう。
狩猟採集時代:そもそも「時間通りに食べる」文化がない
人類の歴史をたどると、圧倒的に長かったのは狩猟採集の時代。
この頃、人々は「食べ物が手に入ったときに食べる」のが基本でした。
朝だからご飯、昼だからランチ、なんて決まりはありません。
言ってみれば、**「空腹がスケジュール」**だったわけです。
江戸時代の日本:基本は1日2食
では、日本はどうだったのか?
江戸時代の庶民の生活では、「朝餉(あさげ)」と「夕餉(ゆうげ)」の2食が基本でした。
農作業の合間に軽食として「ひるげ」を取ることもありましたが、これは今でいう“おやつ”のようなもの。
しかも、夏は早朝に食べて、夕方にもう一度食べる。
つまり、1日の活動時間に合わせた2食だったわけです。
3食文化の登場は、実は「ここ150年くらいの話」
明治時代以降、欧米の生活様式や学校教育、工場労働の導入によって、
「朝・昼・晩」の3食を取るのが“当たり前”という価値観が日本にも広がります。
特に、アメリカの食品業界が積極的に「朝食の重要性」をプロモーション。
たとえば、シリアルを売りたかったケロッグ社が、
「朝食を食べないのは不健康!」
とメッセージを発信し、広告で定着させた背景もあります。
つまり、「3食きっちり食べるのが健康的」というのは、
文化・経済的な都合でできた習慣とも言えるのです。
でも…3食って本当に体にいいの?
ここで冷静に考えたいのが、現代人の生活スタイルとのギャップです。
昔は農作業や肉体労働が中心だったから、エネルギー消費も多かった。
だから3食でも問題なかったんです。
でも、今はどうでしょう?
・デスクワーク中心
・エレベーターや車で移動
・間食も豊富にある
・寝不足、運動不足
この状態で1日3食取ると、カロリー過多・血糖値乱高下・内臓疲労が起きやすくなります。
今注目されている「1日2食」や「16時間断食」
そこで近年注目されているのが、時間制限食(Time-Restricted Eating)や間欠的断食(Intermittent Fasting)。
たとえば、こんな食習慣が見直されています。
・朝食を抜いて、昼〜夜の8時間だけ食べる「16時間断食」
・1日2食にして内臓を休ませる
・インスリン分泌の回数を減らして代謝を整える
これらは、肥満・糖尿病・内臓疲労の予防に役立つという研究も増えています。
結論:「3食」は正解じゃない。体に合った食習慣を選ぼう
「1日3食は当たり前」
「朝ごはんを食べないと不健康」
こんな価値観は、よく考えてみるとここ100〜150年の“常識”にすぎないんです。
人間の体は、もっと柔軟にできています。
だからこそ、自分の生活リズムや体調、目的に合わせて、
・2食がちょうどいい
・朝を抜く方が集中できる
・夜遅く食べない方が体が軽い
といった自分なりの「ちょうどいい食事スタイル」を見つけるのが、
これからの“スマートな健康習慣”かもしれません。
おわりに
もし今、
「朝食を抜くのってダメなの?」
「2食で足りるのかな?」
と悩んでいるなら、安心してください。
人類はもともと、そんなに頻繁に食べてなかったんです。
だから大丈夫。
あなたの体の声をちゃんと聞いて、ちょうどいいペースを探してみましょう。