脂質異常症とケトジェニック
ストレスがあると過食になるということに、41歳になってから気づいた三浦です。
昔から「なんでみんなストレス食いするんだろ?」と思ってたんですが、
いやいや、自分も普通にしてましたね。はい。
そんなこんなで今日は、僕がずっと思っていた「脂質異常症の人ほどケトジェニックが合うのでは?」という話を、しっかり論理でまとめてみます。
実際このテーマは、ダイエット支援でもよく相談されますし、
僕自身の栄養理論でもかなり重要なポイントなので、
きちんと“根本の仕組み”から話します。
脂質異常症は「脂質の問題」ではなく“糖質の問題”である
まずこれが本質です。
日本人に多い脂質異常症は
・中性脂肪が高い
・HDL(善玉)が低い
・LDLは普通でも“小粒子LDL(sdLDL)”が多い
というタイプ。
で、このタイプはほぼ例外なく インスリン過剰(高インスリン状態) が根っこにあります。
・糖質の摂りすぎ
・インスリン分泌が増えすぎ
・脄が蓄積
・内臓脂肪が増える
・脂質代謝が乱れる
つまり脂“質”の異常だけど、
実態は 糖質→脂肪への変換ルートが暴走している状態。
ここにケトジェニックがドンピシャではまります。
ケトジェニックは「脂質異常症の原因」に刺さる食事法
ケトジェニックの本質は
糖質を切る → インスリンを下げる → 脂肪代謝に切り替える
という代謝のスイッチングです。
これが脂質異常症に対してめちゃくちゃ理にかなっています。
1. 中性脂肪(TG)が劇的に下がる
脂質異常症で最も危険視されるのは実は LDL ではなく 高TG。
ケトでは TG が目に見えて下がりやすく、
TG/HDL比が改善 → 血管リスクが大きく減る。
2. HDL(善玉)が上がりやすい
糖質過剰や内臓脂肪が原因で下がっていた HDL は、
ケトで代謝が切り替わると戻りやすい。
3. 小粒子LDL(sdLDL)が減る
sdLDLは酸化しやすく、動脈硬化リスクを高める“本当の悪玉”。
ケトでは
・sdLDLが減り
・大粒子のLDL(比較的安全)が増える
という変化が起きやすい。
これは「LDLの数値だけ」では絶対に読み取れない部分です。
4. 内臓脂肪が高速で落ちる
脂質異常の根本はだいたいこれ。
内臓脂肪=インスリン抵抗性=脂質代謝異常。
ケトの強みはこの 内臓脂肪への刺さり方が圧倒的 なこと。
「LDLが上がるのが怖い」という人へ
ケトジェニックで LDL が一時的に上がることはあります。
ただし、これは
・体脂肪が燃えて血中に脂質が回る
・LDLの“粒子”が大きくなっている
ということが原因で、
必ずしも動脈硬化リスクの上昇を意味するわけではありません。
さらに、飽和脂肪酸を控えて
・オリーブオイル
・青魚
・ナッツ
・アボカド
中心にすれば、
LDLの跳ね方はほぼ確実に減ります。
つまり、
やり方次第で“安全なケト”は普通に実現できる。
脂質異常症こそ「やる価値あり」の理由
まとめると、脂質異常症の中でも特に…
・中性脂肪が高い
・HDLが低い
・内臓脂肪が多い
・食後高血糖気味
・インスリン抵抗性がある
こういうタイプは
ケトジェニックの恩恵を受けやすい“ドンピシャ層” です。
むしろ「脂質だけ見て怖がって何もしない」より、
体脂肪を短期的に落として、代謝を再起動する方が健康へのインパクトは圧倒的に大きい。
僕もダイエット相談のお客さんを見ていて、
ここは本当に強く実感しています。
注意すべきケースも一応あります
・やせ型でLDLだけ爆上がりするタイプ(LMHR)
・遺伝性の家族性高コレステロール血症
・極端に飽和脂肪酸を摂る食事(バター大量など)
こういう場合は医療フォローが必要です。
ただし、多数派ではありません。
まとめ
脂質異常症は「脂質の問題」に見えて、
本質は 糖質→インスリン→内臓脂肪 の連鎖。
だからこそ、
・糖質を切る
・インスリンを下げる
・脂肪を燃やす
・内臓脂肪を落とす
というケトジェニックは、脂質異常症に非常に相性がいい。
そして、脂肪代謝への切り替えは体調改善のインパクトが大きい。
参考になる書籍一覧(一般向けの本)
The Art and Science of Low Carbohydrate Living
Jeff S. Volek / Stephen D. Phinney
The Art and Science of Low Carbohydrate Performance
Jeff S. Volek / Stephen D. Phinney
Good Calories, Bad Calories
Gary Taubes
Why We Get Fat
Gary Taubes
Metabolical
Robert Lustig
The Case for Keto
Gary Taubes
Ketogenic Diet(Lyle McDonald)
ケトジェニックの生理学を最も体系的に整理した一冊。
最後に(重要な注意書き)
これは、三浦が調べた一般的な情報をもとにした 僕自身の主張 です。
医学的な診断や治療を断定するものではありません。
鵜呑みにせず、一つの参考情報として捉えてください。
体調や数値に不安がある場合は、必ず医療機関での検査・相談も併用してください。







