50年のデータから見る糖質と肥満の関係性について真面目にまとめてみた「めっちゃ勉強になる」
実は大学生の頃はジャーナリストになりたかった三浦です。
倉木麻衣さんが在学しているという理由で立命館を志望し、あっさり落ちました。
人生とは面白いもので、こうして20年越しに“取材記事のような文章”を書いている自分がいます。
さて今回は、
「日本人の糖質摂取量は減っているのに、肥満は増えている」という謎の現象
について、データの裏側から読み解いていきます。
日本人の糖質摂取量は減っているのに肥満は増えている──
データが語る“食の構造変化”という真の問題
「糖質は悪者じゃない。
だって日本人の糖質摂取量は減ってるのに、肥満は増えてるじゃん?」
こうした主張がSNSでよくシェアされる。
数字を並べられると、つい納得しそうになるが、
実際のところ、話はそこまで単純ではない。
糖質は減った。
肥満は増えた。
──これは事実だ。
だが、
「だから糖質は太る原因ではない」
という結論は、あまりにも飛躍が過ぎる。
むしろ、この“奇妙な乖離”こそ、
現代の日本の食生活が抱える 構造的な変化 を象徴している。
以下、その実態を冷静に紐解いていく。
1. まず、糖質は本当に減っているのか?
厚労省や農水省の長期データを見ると、
日本人の食事バランスはこの数十年で劇的に変わっている。
● 高度経済成長期(1960〜70年代)
・主食中心
・エネルギーの約70%が炭水化物
・米の消費は現在の約2倍
● 現代(2000年代以降)
・炭水化物エネルギー比は 55〜57%前後
・たんぱく質・脂質の比率は増加
・総エネルギー量も緩やかに減少
つまり、
「主食としての糖質」 は長期的に着実に減っている。
この点だけを見れば、
「糖質は減ってるんだから、糖質は悪くない」という主張にも説得力が生まれる。
しかし、問題はここからだ。
2. 一方で、肥満者は確実に増えている
国民健康・栄養調査の最新データでは、
・20歳以上男性の肥満(BMI25以上):31.5%
・女性は20%前後で横ばい〜微増
特に男性は30〜50代で高い傾向が続いている。
糖質摂取が減っているのに肥満が増える──
確かに奇妙な現象だ。
ただし、この2つを「因果関係」とみなすのは誤りである。
実際は、
食事の“質”や生活習慣の構図が大きく変化している。
3. 糖質は減った。しかし「質の悪い糖質」は増えた。
最も重要なポイントはこれだ。
減っているのは
「白米・主食としての糖質」 であって、
増えているのは
「砂糖・加工糖質・間食系の糖質」 である。
・砂糖入り飲料
・菓子パンやスイーツ
・スナック類
・添加糖を含む加工食品
こうした食べ物は、
血糖値を急上昇させ、脂肪蓄積につながりやすい。
つまり、
糖質の“量”が減っても、糖質の“質”は悪化している。
これが最初の盲点だ。
4. 同時に「脂質比率」が上昇している
日本人の食事は、この40年で確実に“脂質中心化”している。
脂質エネルギー比は30%を超え、
特に揚げ物・加工肉・スイーツなど“脂質×糖質”の組み合わせが増加。
このコンボは代謝上もっとも太りやすい。
糖質だけを減らしても、
脂質が増え、間食が増え、食べる頻度が増えれば
当然のようにエネルギー収支はプラスに傾く。
5. 食事頻度・タイミングの劣化も肥満に寄与
現代生活では、
・朝食欠食
・夜遅い食事
・一日中ちょこちょこ食い
・食間が短くインスリンが休まらない
こうした“代謝リズムの乱れ”が起きている。
体脂肪が燃えるのは
インスリンが下がったときだけ。
しかし多くの現代人は、
朝〜夜まで食事や間食が続き、
“脂肪が燃える時間”がまったく確保されない。
もはや太るのは当然と言っていい。
6. 運動量の減少が拍車をかける
厚労省の資料では、
ここ10年で日本人の平均歩数は確実に減っている。
座り時間の増加も顕著だ。
消費エネルギーが下がり、
摂取エネルギーが質的に悪化すれば、
肥満は避けられない。
糖質がどうこう以前の問題である。
7. 結論:問題は「糖質の量」ではなく「食の構造の崩壊」
まとめるとこうだ。
● 糖質量は減っている
→ 事実
● 肥満は増えている
→ これも事実
● だから糖質は無関係?
→ まったくそんなことはない
主食の糖質が減っても、
・加工糖質は増えている
・脂質は増えている
・食事頻度は増えている
・食間は短くなっている
・運動は減っている
・インスリンが下がる時間がない
この“複数の悪条件”が積み重なれば、
肥満はむしろ増えて当然だ。
糖質論争はいつも「量」だけに注目されるが、
本質は “代謝が回らない食環境” にある。
結び:健康は「量」ではなく「リズム」でつくられる
食べない時間をつくる、
食間を伸ばす、
加工食品を減らす、
質の良い栄養で代謝を整える。
これらは“昔の人は自然にやっていたこと”だ。
現代は便利になった分、
代謝に負荷がかかる生活構造になっている。
だからこそ、僕たちは意識的に
“代謝リズム”を取り戻す必要がある。
糖質は悪ではない。
だが、糖質の「質とタイミング」を見誤ると、
現代社会では簡単に太る。
肥満を減らす鍵は、
糖質削減そのものではなく、
生活全体の代謝設計 にある。
【引用・参考文献(データ出典)】
1. 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
・肥満割合・栄養素バランスの推移
2. 厚生労働省「日本人の栄養と健康の変遷」
・炭水化物比率の低下、脂質比率の上昇
3. 農林水産省「お米と健康の関係まとめ」
・炭水化物摂取量低下と米消費量の推移
4. 厚労省 生活習慣病予防サイト
・年代別・性別の肥満傾向
5. 平成16年 国民健康・栄養調査
・男性肥満の長期傾向
ということで、真面目にデータを見て記事としてまとめてみました。
いかがでしたでしょうか?
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定期的にこんな真面目な文章も書こうと思います。
それでは本日は以上です!







