
「絶対に」という言葉を科学者が使うとき、僕は疑う。
世の中には、「絶対に〇〇」「絶対にこうすれば成功する」と断言する人がたくさんいます。
でも、科学の世界では「絶対に」という言葉は、むしろ使ってはいけない言葉です。
なぜなら、科学とは「常に仮説と検証を繰り返す営み」であり、「今のところそう考えられている」という前提で話が進んでいるからです。
科学に「絶対」は存在しない
科学的な主張の多くは、「現時点で得られているデータからは、こう言える可能性が高い」といった表現が基本です。
「絶対に正しい」とか「必ず〇〇になる」という断言は、むしろ科学的ではない。
たとえば医学でも、
・「この治療法は高確率で効果がある」
・「この薬は多くのケースで改善を示している」
という言い方はしても、「この薬を飲めば100%治る」なんて言ったら、それは詐欺に近い。
科学というのは、あくまで不確実性を前提とした営みなんです。
「絶対に」と言い切る研究者は信用できるか?
ここが今回、僕が一番伝えたいところです。
科学者が「絶対にこうです」と言い切った瞬間、その人のことを僕は疑います。
もちろん、テレビや講演会などで、分かりやすく伝えるためにあえて強い言葉を使うケースもあります。
でも、本当に科学を理解しているなら、「絶対」なんて断言できるはずがない。
だから僕は、「絶対に」という言葉を科学の文脈で使っている人を見ると、その人の発信は疑ってかかるようにしています。
絶対という言葉に安心するのは危険
人間は、「絶対にこうすればうまくいく」という言葉に弱いです。
でも、それは思考停止でもあります。
とくに健康、栄養、ダイエットの分野では、「絶対に痩せる方法」とか「絶対に食べるべき食材」みたいな情報が溢れています。
でも、そんなものは存在しない。体質も、生活環境も、目的も、みんな違うからです。
だからこそ、自分で考える力を育てることが大事。
科学はそのためのツールであり、正しい考え方を支える基礎でもあります。
まとめ:科学は「わからない」を受け入れる力
僕は、「わからないことがある」という前提こそが科学の強さだと思っています。
だからこそ、「絶対に」と言い切る人ではなく、
「今のところこう考えられている」「こういう可能性が高い」と言える人を信じたい。
それが、科学的な態度というものではないでしょうか。
※もしこの考え方に共感したら、ぜひLINEで感想を送ってください。
「科学的に考える力を身につけたい」という人を、僕は応援しています。