糖質代謝は、なぜお腹が空きやすいのか
「糖質を摂ると、すぐお腹が空く」
これは気のせいでも、意志の弱さでもありません。
代謝の仕組み上、そうなりやすいだけです。
まず前提として、
空腹の正体はとてもシンプルです。
空腹=エネルギー不足
人の体は、感情ではなくエネルギー残量で判断しています。
糖質は“貯められない燃料”
糖質は体内でグリコーゲンという形で貯蔵されます。
貯蔵場所は主に、肝臓と筋肉(骨格筋)。
しかしここに大きな制限があります。
肝臓と筋肉に貯蔵できるグリコーゲン量は、合計で約400〜500g程度。
エネルギー量にすると約1,600〜2,000kcal。
普通に生活していれば、1日もたない量です。
つまり糖質代謝は、
小さなガソリンタンクで走っている状態だと言えます。
ガソリンが減れば、警告灯は必ずつく
グリコーゲンが減ってくると、体は正直に反応します。
「エネルギーが足りない」
「早く補給しろ」
これが空腹感です。
糖質代謝の状態では、
食べる → 血糖が上がる → 使う → 貯蔵が減る → また空腹
このサイクルが非常に短い。
その結果、
お腹が空く回数が増える。
食欲が強いわけではない
ここが一番の誤解です。
糖質代謝の人は、
食欲が強いわけではありません。
エネルギー不足になる頻度が多いだけ。
でも体感としては、
「ずっと何か食べたい」
「我慢できない」
と感じてしまう。
この勘違いが、
「自分は意思が弱い」という誤った自己評価を生みます。
脂質代謝は“大型タンク”
一方、脂質代謝。
体脂肪は数kg単位で存在し、
エネルギー量は軽く数万kcal。
これは
小さなガソリンタンクと大型タンクの差。
どちらがエネルギー切れを起こしにくいかは、
考えるまでもありません。
僕がケトジェニックを合理的だと思う理由
糖質は悪い栄養素ではありません。
ただ、
・空腹感を減らしたい
・食欲に振り回されたくない
・日中のパフォーマンスを安定させたい
そう考えたとき、
脂質代謝をベースにするケトジェニックは、非常に論理的な選択肢だと僕は考えています。
我慢の話ではなく、
仕組みの話です。
まとめ
・空腹の正体はエネルギー不足
・糖質は貯蔵量が400〜500gと少ない
・そのためエネルギー切れを起こしやすい
・空腹の頻度が増え、食欲が強いと勘違いしやすい
・脂質代謝はエネルギー供給が安定する
「我慢できない自分が悪い」のではなく、
代謝の前提を知るだけで、ダイエットの見え方は変わる。








