糖質は敵じゃない。でも、扱いを間違えると食欲を壊す。
一生、極端な糖質制限を続ける。
これは現実的にかなり難しいと僕は思っています。
外食もあるし、会食もある。
家族との食事もあれば、旅行だってある。
社会で生きている以上、糖質と完全に縁を切る生活はほぼ不可能です。
だからこそ糖質は、
排除すべきものではなく
**「どう付き合うかを考えるべき栄養素」**です。
糖質=太る、はかなり雑な理解
まず大前提として、
多くの人が思っているほど「糖質=即太る」わけではありません。
適量の糖質はエネルギーとして使われます。
問題は糖質そのものではなく、
摂り方と、その後に体で起きる反応です。
特に厄介なのが、食欲への影響です。
糖質が食欲を乱す仕組み
糖質を摂ると、体の中では次の流れが起こります。
1. 血糖値が上がる
2. インスリンが分泌される
3. 血糖値が下がる
この流れ自体は正常です。
問題は「下がり方」。
精製された糖質や量が多すぎる糖質を摂ると、
血糖値が急上昇 → 急降下しやすくなります。
すると体はこう判断します。
「エネルギーが足りない」
「危険だから、何か食べろ」
これが、
・お腹は空いていないのに食べたくなる
・甘いものが欲しくなる
・食後すぐに間食したくなる
という状態の正体です。
意思が弱いわけではありません。
ホルモンと血糖の問題です。
糖質代謝は「ガソリンタンクが小さい」
糖質はグリコーゲンとして体に貯蔵されますが、
その量はかなり限られています。
一方、脂質はほぼ無限に近いエネルギータンクを持っています。
つまり糖質代謝に寄っている状態だと、
・エネルギー切れが起きやすい
・空腹の頻度が増える
・食事回数が増えやすい
この状態を
「自分は食欲が強い」
「我慢ができない」
と勘違いしてしまう人がとても多い。
でも実際は、
代謝の使い方の問題であることがほとんどです。
糖質の一番のデメリットは「脂肪」ではない
糖質の最大のデメリットは、
脂肪になることではありません。
それよりも、
・食欲が不安定になる
・空腹に振り回される
・食事の主導権を失う
この状態に陥りやすいことです。
ダイエットが続かない人の多くは、
根性が足りないのではなく、
糖質によって食欲が乱された状態で戦っているだけです。
だから「理解した上で付き合う」
糖質は悪ではありません。
でも万能でもない。
・摂るとどういう反応が起きるのか
・自分の体はどう感じるのか
・空腹や食欲にどう影響するのか
これを理解した上で使うかどうかを選ぶ。
糖質制限をする・しない、ではなく
主導権をどちらが握っているか。
糖質に振り回される側になるのか、
理解した上で使う側になるのか。
この違いが、
ダイエットのしんどさを大きく分けます。
糖質は敵じゃない。
でも、無邪気に信じすぎると、確実に食欲は壊れます。
少し距離を取って、
仕組みを理解して、
賢く付き合う。
それくらいが、ちょうどいいと思っています。








